年末に東作本店で和竿を買った話。
ブログを書こうと思ってもつい三日坊主で続かず、ぽつりぽつりとしか書けないので意志薄弱だなぁ、なんてことを考えながら今日も書く。
久しぶりに書く理由はなんと言っても念願の和竿を買ったから。
上野の隣町にある稲荷町という場所に行きたい和竿屋さんがあった。もう創業260年以上という名高いお店。
いかにも若者で風格もないひょろっとした若造がお店にお邪魔していいかとかなり悩んだが自分の気持ちが勝り、ついにお伺いすることにした。
お店に入るとすでに先客あり。ご高齢な、でもなんとなく気品のあるようなたたずまいだった。
入った瞬間「あ〜、やっぱり来るにはまだ30年くらい早かったか…」なんて考えてしまったが、ご主人に挨拶して見せていただいていると、ご主人が頃合いを見計らって2階にいる竿師さんを呼んでくれた。
その竿師さんは若く少し自分よりお兄さんくらいな年だった。
普段はヘラブナを釣っていること、狙う魚は小物から尺鮒くらいであること、長さは8〜9尺がいい事などなど、ある程度固めていた構想を伝えた。
するとすぐにそのサイズならマブナ竿で十分。ヘラ竿もあるけど、専門はハゼやマブナだからとのことで、マブナ竿に方向が定まる。
長さは代表的な7本継ぎ9尺で、店頭に並んでいるものの中から9本チョイスしていただいた。
すべての竿を継いでもらい、振ったりしなり具合を見たりで約30分。
ようやく好みの竿を選び抜いた。
矢竹9尺ヘラ握り7本並継、仕舞寸一尺半もの。
お渡し前にということで穂先の火入れと油を塗っていただいた。
ご主人がここで一言「随分柔らかい竿選びますなぁ…」そ、そうなのか。たしかにヘラブナ釣りでも本調子の竿が好みと言うこともあるけど、どうやら自分の好みは柔らか本調子ということが分かった。
準備している間に奥様からお茶を頂いて、何やかんやお話をしていると、竿の調整が終わり、取り扱いについての説明を受ける。
竿を継ぐときは枝を切り落とした部分(目)の部分は逆向きにすること、合わせるときは強く合わせないこと、できるだけ玉網を使って穂持ちの負担を軽減すること等々。
お勘定が終わり、クリスマスだからとウキとカレンダーを頂いた。
誠に感謝。
初めての和竿で、歴史のある格式高い竿屋だと思っていたが、何とも下町の色が残る人情味のあるとても優しいお店だった。
今後はこの竿の調整や、お誂えを作っていただくかも知れないので長い付き合いになりそう。
(追記)
翌日この竿を振りたくてたまらなくなり近所の池へ。爆風の中凍え死にそうになりながらも掛けたのは大鯉…。なんとも言えないがこれからこの竿でたくさんの魚を釣るので長い付き合いよろしくお願いします。